情報の偏りと偶然

youtubeで関連動画や、おすすめ動画から見るつもりのなかったものをついダラダラ見てしまうのが良くないなと思い、chrome拡張機能を入れてそれらを非表示にした。

これによって、チャンネル登録してある動画や、明示的に見ようと思った動画だけしか見られないようになった。

当面は、時間の節約という観点で良い方向に働くとは思うが、これが完全なプラスかというと微妙だ。

このままの使い方をしていると、明示的に見ようと思った動画以外の動画にアクセスできなくなってしまう。そうすると、偶然興味のある動画に出会うことがなくなる。とすると、自分の見る動画のジャンルも限定されて、価値観も特定の発信者の発信内容に偏ったものになるかもしれない。

こういう方針で情報の取捨選択をしていると、登りたい山へのルートは見えてくるかもしれないが、もっと高い他の山の存在に気づけないことがあるはず。

うろ覚えの知識だが、機械学習の精度の向上のために、その時々の最適解を選択し続けていく中で、一定の割合でランダムな選択をすると、常に最適解だけを選択し続けるよりも精度が上がることがあるとかなんとかがあった。本当に最適な解にたどり着くというよりは、現時点からみた暫定的な最適解にたどり着く方法なのだった。

 

これに似たようなことで、コロナの影響でのリモートワークがある。
これも、業務の内容が明確になっていて、家で集中してやるだけであれば、短期的には作業効率が上がったりして効果が出るだろう。しかし、完全にリモートだとコミュニケーションも意図した人と愛した内容でしか取れない。こうした状況で偶然何かが生まれるということは起こりづらい。例えば新しい趣味であったり、いいお店だったり、お金周りで役立つ知識だったり。こうしたことは別にネット上に落ちている情報・知識ではあるが、それを明示的に取りに行かない限りは目に入ってこない。オフラインでの人との会話ではこうした意図しない情報が入ってくることが大きなメリットだった。

 

こうした人とのコミュニケーションのとり方が変わっていく中で、人が情報を取得していく手段も大きく変わっていきそうだ。

今日情報はすでに溢れかえっていて、ネット上に上がっていない情報を見つけるほうが難しいくらいになっている。今はこんな時代だからこそ、情報そのものではなく、いかにしてその情報を取るべきかを気づかせることが大事になってくるのではないか。